こんにちは、natsuです!
私は大学3年生の頃、半年間シンガポールで海外インターンシップを経験しました。
「海外インターンって実際どうなの?」
「インターンって簡単な仕事しか任されないんじゃない?」
と海外インターンを迷われている方、または、海外インターンの実態を知りたい方へ。
私も最初は「インターン生だから簡単な作業を任される程度」だと思っていましたが、実際は厳しいことや辛いことばかりでした。
インターン開始から5日程のトレーニングで、正社員と同じ仕事を1人でほとんど任されるように…。
今回、私が実際に行った海外インターンの業務内容、働いてみてどうだったのか、大変だったこと、良かったことなどをお届けします。
シンガポールの高級ホテルで海外インターン
私がインターンシップで働いた場所は、世界最大手のホテルチェーンのフロントオフィス。
※マリーナベイサンズではありません。
シンガポールでは超有名なマリーナベイエリアの景色が一望できる立地。仕事終わりに夜景を見ながら散歩してたのはいい思い出です♡
半年間で体験した仕事内容
私がインターンをしていたホテルでは、インターン生の間で半年間ローテーション勤務といって、フロントオフィス部門の中のレセプション、コンシェルジュ、クラブラウンジなどを含む計5つの部署をローテーションでまわっていました。
(↑)各部署で1ヶ月ほどの期間働かせていただきました。
レセプション
主にチェックイン•チェックアウト、そして宿泊客情報などをコンピューターにインプットしたり。
ただ、アジアのホテルでは当たり前のことだと思いますが、ほぼ毎日90%以上の宿泊予約が入っていたのでめちゃめちゃ忙しかったです!
チェックイン時間なんて超絶長い列ができるので、息をする暇もないぐらい!(笑)
でもそれが逆に時間過ぎるのが早くて、毎日があっという間!!
コンシェルジュ
コンシェルジュは、1番難しかったです。
国、習慣、文化などシンガポール全般の事からレストラン(場所、種類、大体の金額…)や観光地までお客様に何を聞かれても応えられるように、数多くの事を知り尽くしておかなければなりません。
コンシェルジュの主な仕事内容は、
- シンガポールの観光地やおすすめスポット紹介
- レストランの予約
- チケット発券
- タクシーやリムジン確保
- 荷物保管
などのアシストをします。
コンシェルジュに入った時は、シンガポールに来てまだ1ヶ月も経っていなかったので、観光地ましてはレストランなどをお客様に勧めるなんて…大変でした。
とりあえず時間がある度には、シンガポールについて沢山調べたり、一人で観光地を回りました。
でもやっぱり正社員に近づくには1ヶ月では全く足りませんでした。
コンシェルジュの部署にいた時は、まだまだ知識が足りなくて、満足のいく仕事はあまりできなかったです。
ですが、コンシェルジュに入ったことにより、自分からもっと積極的にシンガポールについて勉強する習慣が身についたので、本当にシンガポールの事を好きになったし、観光以外にも色々知る事ができました。
徐々にですが、違う部署についていた時には、お客様の急な質問や、どこか紹介して欲しいという要望にもスムーズに対応できるようになったと実感しています。
クラブラウンジ
クラブラウンジは、クラブルームに宿泊しているお客様のみが利用できるラウンジです。
これは私の個人的な意見ですが、クラブラウンジを利用するお客様は富裕層の方が多く、お金にも心にも余裕がある方が多い気がします。
ちょっとしたアクシデントにも動じず、また、スタッフのミスにも笑顔で「どうって事ないわ!大丈夫よ!」と逆に励まされる事も多くありました。
お客様のゆったりとした心と立ち回りを見てると、人間として、心の余裕を持つことの大切さを学ぶ事ができる空間でした♪
個人的にレセプションにやりがいを感じる
最後の約2ヶ月間は、フロントオフィス部門で好きな部署につけるということで、私が個人的にもっと学びたいと思っていたレセプションを主に担当していました。
ホテルの顔と言われているレセプショニスト(フロントの受付係)。
お客様をチェックインで出迎えることからチェックアウトで見送るまで、お客様との関わりが一番深いのが特徴かもしれません。
どの部署よりも沢山の人との出会いがあるレセプションでの仕事にやりがいを感じてました。
レセプションの場合、インターン生はチェックインのみしかやってはいけないという決まりがありましたが、幸いにも、私はチェックアウトも任されるようになりました。本当にありがたいです。
また、日本人スタッフということで、
他のゲストを対応する中、日本人ゲストのケアも任され、本当に多くのゲストに出会うことができました。
インターン体験談・大変だった事
※ここからは、フロントオフィスのレセプション業務にフォーカスして書いてます。
仕事が多い時は12時間シフト
フロントオフィスの仕事はシフト制なので、毎日勤務時間が異なります。
シフトによりますが、朝早い時には7時出勤で、終わる時間も遅くて夜中の1〜2時とかでした。
キツそうに聞こえるかもしれませんが、毎日忙しさに追われ、そして学びばっかりだったので全然シフトに対しては苦ではありませんでした!
職場入って5日程で1人でフロントに立たされる
これが1番びっくり!
私が想像していたインターン:
トレーニング期間があり、1ヶ月ほど社員に付きっきりで教えてもらって、そして少しずつ1人で慣れてきたら任される。
実際のインターン:
フロントに入って、5日程チェックインのやり方を教わって、その後1人でカウンターに立たされる。もちろん1人でお客様の対応を任される。
これは海外では当たり前なのでしょうか?
チェックインの仕方を習っても一人でやるのはまだ自信がないし、怖かったです。
それに5つ星の高級ホテルで新人ペーペーの私が(←しかもインターン生が)一人でお客様対応していいんですか~~~∑(゚Д゚)って思いました。
正社員曰く、このホテルでは結構それが当たり前で、だからこそみんな失敗から学び、超成長するそうです。
にしたって、放ったらかしすぎでしょ(笑)
最初に起こった失敗談
レセプションでの仕事が始まって2週間ほどが経った時のこと。
フロントに長い列ができているのにも関わらず、私がその時使っていたパスポートの読み取り機がなぜか止まってしまいました。
他のデスクも全て使用されていたので、私はパニック状態。
(そういった技術的な問題に直面した時は、どうすればいいか習ってないから分からない〜〜〜、ただただパニック状態。)
誰かに助けを求めたくても、全スタッフがチェックイン・アウトで忙しくて誰も手が空いていない状態。
チェックインに時間をかけすぎている私に対して、対応していた中国人客がイライラし始めてきたのです。
最終的にはそのお客様に怒鳴られました(泣)
この後はマネージャーに助けてもらってスムーズに終わったのですが、この失敗から、次に機械が止まったときにどう対応すればいいか学べました。
最初は怒鳴られたり、自分の失敗でチームに迷惑かける事で落ち込んで心がやられるんですけどね(笑)
ですが、こういった失敗を繰り返すことで、沢山成長できたと感じます。
毎日勉強漬け
ミスをしたらチームに影響を及ぼしてしまうので、毎日仕事中も、休憩中も、休みの日も勉強漬けでした。
ミスをする度に、それを振り返っては対策を考えたり…
どんなに沢山勉強してもインターン最終日まで毎日新しい発見ばかり!
そこも面白いのがホテル仕事です!
日本語を話せるからこそ、任される仕事も多い
当時、日本人スタッフがほとんどいませんでした。
また、日本人のお客様の中には英語が苦手な方が圧倒的に多かったので、日本人客に何か問題があった時や、チェックインなどは頻繁に対応を任されていました。
私がレセプション担当でも、コンシェルジュと同じ仕事内容をこなす時もあり、
(レストランの予約、タクシーの確保、観光バスやチケットの予約など)
他にも、仕事終わりに残業して、日本語のメール返信やクレーム対応なども当たり前。
なので、海外で働くということに関して、日本人の需要は非常に高いのです!!
仕事の量が多くて大変だったことも多いけど、こんなに沢山の経験をさせてもらえた事が私の成長の糧になりました。本当に感謝しています。
海外ホテルインターンシップで得たもの
この海外インターンシップを通して、たくさん失敗し、そこから学び、成長に繋がったことが多かったです。
ビジネスで求められるスキル
その①:語学力(ビジネスで求められる英語と日本語)
大学で使うアカデミックな英語とはまた違い、ビジネスで求められる英語力も身につきました。
海外で働くからには、英語を使えて当たり前。英語を使えるからといってプラスにはならない、それが現実でした。
また、ホテルで使われる専門用語などもインターンを始めてから知りました。英語に自信があっても、仕事をするとなるとまた違う事なんだな~と実感。
ビジネス日本語に関してですが、
「natuは日本人でしょ?」
と突っ込みたいところでしょう。私、実は日本語が結構弱いです(苦笑)
高校を卒業してその後海外へ飛び出した私は、バイトの経験もなく、学生のタメ語しか使えないまま日本を出てしまったので、まともなビジネス日本語が使えないのです。
シンガポールに辿り着くまでは、ワーホリや海外大学進学などで更に日本語を話す機会が少なくなっていき…私にとっては、ビジネス日本語は英語よりも難しかったのです。
日本語での電話対応が正直一番緊張するし、ストレスでした(泣)
お客様に「日本語わかる?」と怒られたことも…
日本人なのにそう言われると傷つきますね。
悔しかったので、仕事内容の勉強以外でもビジネス日本語も必死で学んでいました。
数ヶ月後にはビジネス日本語スムーズに喋れてましたよ( ̄∇ ̄)ニヤ
↑いやいや、当たり前だよ!!
その②:お客さんによって対応の仕方の違い
お客さんによって対応する時のトーンの違い、表現の仕方、タッチポイントも様々。
ビジネス客だとスムーズで素早いチェックイン・アウトを求められ、その一方、観光客だと出来るだけ会話を増やしながら色々とレストランや観光場所をお勧めしたり。
また、
『初めてこのホテルに滞在するお客様なのか』
『それとも常連客なのか』
という事を理解することも大切だと気づきました。
常連客の場合は、その人が毎回注文するコーヒーの種類、朝食、新聞なども知っておく事が基本。
常連客が多くて、名前覚えるのすら難しいです!特に東南アジアの名前が長すぎて発音も難しい人多すぎ!
それらを理解することによって、「各々お客様が何を求めているのか、どのようなサービスによって更に満足のいく滞在になるのか」ということも考えさせられました。
ホテルマンって凄いな~って思うことばかり。
その③:臨機応変に対応できるようになる
最初の頃は、教えてもらったことをマニュアル通りにしか対応できませんでした。
ですが、数多くの外国人客そして日本人客を対応していく中で、たくさん失敗を繰り返し、たくさんクレームを浴びせられ、ゆっくりですが、臨機応変に対応できるようになりました。
▼関連記事:海外ホテルで受けたクレーム集
最初はミスで上司に怒られる事も多々ありましたが、
マネージャーには、「ミスしてもとりあえずやってみなさい」と励まされました。
その言葉を信じ、ミスを恐れずに出来ることは挑戦しました。
失敗やミスをする事が、一番効果的に自分の体に叩きこみ、成長させてくれますからね♪
また、分からないことは分からない!ときっぱり割り切る事も大切だと思います。
そういう時は、たとえお客様を待たせてしまっても、他の正社員に頼んで対応してもらうこと。
そして、私が自信のない顔をしたら逆にお客様を不安にさせてしまうので、たとえ対応の仕方が分からなくても堂々と振舞うことの大事さを学びました。
その④:精神面が鍛えられる
最初の頃は、
「どうして自分はこんな事もできないの?」
「自分て本当ダメだな」
と、マイナス思考に考えることもたくさんありました。
でも、諦めずに勉強して、失敗して、へこみながらもまた勉強して…の繰り返しで、少しずつ失敗も減りながら自信がついてきました。
家で机に向かって勉強するよりも、実際フロントに立って経験しながら学ぶほうが体に叩き込めたので、
私は、朝のシフトの場合、
「残業させてくださいっ!!」と
マネージャーに頼み、自分から12時間働くことも多々ありました。
半年間という限られた時間だったからこそ、残業してでも頑張れたと思います。
海外インターンをやってよかったな、と思った瞬間
*お客様に「ありがとう」と言われる時
レセプションでお客様を対応するのはチェックインの時だけではありません。
滞在期間中、できる限り観光地のアドバイスだったり、また、私が紹介した場所に行かれたゲストにはホテルに帰って来た際にどうだったか質問したりして、会話をしながら仲良くなるお客様もたくさんいました。
中には、チェックアウトをされたお客様がわざわざ私を探しにフロントに立ち寄り、
「ありがとうございました、おかげで楽しいシンガポール旅行になりました。また来ます。」
とお礼を言いにくる方や、お土産をくれる方もいました。
「ありがとう」と感謝される度に『もっと頑張ろう!』という気持ちにさせてくれます。
* ”優秀な研修生”として認められ、賞をもらった時
ホテル内で毎月、様々な授賞式のようなものがあります。
正社員しか受賞されるものとしか思っていなかった私は、自分が受賞されると聞いて驚くことしかできませんでした。
頂いた賞状には、
”Outstanding Trainee (優秀な研修生)”と書かれてました。
「頑張った甲斐があったな〜」、と喜びを噛み締めました♪
まとめ
仕事面に関しては、楽しさと辛さでいうと多分4:6くらいの割合。
きつい事の方が多かったけど、その分凄く成長した自分がいます。
仕事仲間はどうだったか?というと
フロントで働くほとんどの同僚とは仲良くなり、仕事帰りにご飯や飲みに行ったりしていました。
そういう楽しみもあり、仕事に行く事も苦ではなかったです(´∀`*)
結構周りの人達に「Natuみたいにこんなにインターンを楽しんでいる人見た事ないよ!」と多々言われていましたが、私にとっては、本当に大学生活の中で1番充実していた半年間でした。
海外インターンはきつい事もいっぱい!でもその分、自分自身を強くしてくれると思います!
以上、私のインターンシップ体験談でした。
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