こんにちは、シンガポールの高級ホテルチェーンで半年間インターンシップを体験したnatsuです。
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高級ホテルというと、
スタッフ、サービス、部屋、レストランなど全てにおいて最高レベルのホスピタリティ(おもてなし)を受けることができる。自分の要望もお願いすれば全て受け入れてもられる。
そう思う方がいるかと思います。
ですが実際、高級ホテルといっても、毎日多くのクレームや苦情を受けるのが事実。
ホテルスタッフは毎日ベストを尽くしますが、全てのお客様の要望に応えるのも限界があります。
私は半年間のインターンシップ期間中、日本人、韓国人、ヨーロッパ人、中国人、アメリカ人…などと世界各国から来る多くのお客様を接客し、多種多様のクレームも受けていました。
ただ、クレームにも色々なタイプがあります。
それぞれの国の文化や習慣の違いから生まれる「私の国では当たり前なのに…自国ではこれが普通なのに…」というような、不満や苦情レベルのクレームもあれば、言いがかりのような無茶苦茶なクレームもあります。
クレーム対応って慣れるまでが本当にきつい!!クレームはあまり真に受けるな、とは言われますが、初めてのクレーム対応で結構傷つくこともありました。
今回紹介するのは、ほんの一部ですが、実際に海外ホテル勤務中に受けたどうにも出来ない厄介なクレームをまとめてみました。
ホテルの古さに対する不満
私が働いていたホテルは、建物自体が30年以上経っていて、良く言えば歴史あるホテル、悪く言えば古いホテル(笑)。
長年の歴史あるホテルということで、それが静かで良いと絶賛するお客様もいれば、古すぎることにクレームを言うお客様もいました。
私は、正直そのちょっとした古さが、逆に最近のお洒落なホテルに比べて落ち着きがあるので好きでした。
まぁ、建物の古さに関してのクレームは、好みが分かれるのでどうしようも出来ないことです。
古いホテルに泊まりたくないなら他で滞在してください、って感じです(笑)
到着して30分以内でチェックアウトするお客さん!?
この建物の古さが気に入らなくて、チェックインしてから30分以内にチェックアウトを求めるお客様もいました。
しかも、「あなたのホテルより良くて、ここから近いホテルをオススメしてくれ!」とまで言ってくるのです…
もちろんNoとは言わず、定番で大人気のホテルをいくつか紹介。
このお客様は、「個人的にこの古さがただ気に入らないからチェックアウトしたい。」とのことで、別にホテルに対して強くクレームを主張する方ではなかったので、大問題には至りませんでした。
【日本人カップル夫婦あるある!】ツインベッドにこだわる
部屋のベッドタイプに対しての苦情が結構多かったです!
これに関しては、ほぼ日本人客。
日本では、たとえカップル・夫婦でも寝室が別だったり、お互いの寝床を離して寝る、ということがよくあるので、ホテルで宿泊するときも高い確率でツインベッドを希望されます。
日本のホテルでは、ツインベッドのお部屋を多く扱っているかと思いますが、海外では、ほとんどのカップル・夫婦は同じベッドで寝ることが当たり前。
なので、ツインベッドよりもキングサイズベッドやクイーンサイズベッドを置いてるホテルの方が圧倒的に多いのです。
そのため、ツインベッドルームは数が限られています。
毎日ほぼ満室だった私達のホテルでは、全ての日本人客に好みのベッドタイプを提供することは難しく、ツインベッドルームを提供できなかったお客様からクレームを受けることがよくありました。
申し訳ないことですが、これもどうしようも出来ないのです><
日本では当たり前でも、海外では違う!ということを理解していただきたい!!
ツインベッドに関して厄介だったクレーム実録
ツインベッドに関して、通常は謝罪して理解してくれるお客様が多い中、実際遭遇した厄介だったあるご家族からのクレームをシェアします。
このご家族は、母&息子で一部屋、そして父&息子2でもう一部屋の合計2部屋をブッキングしていて、2部屋ともツインベッドルーム+ハイフロア (いわゆる高層階客室)のお部屋を予約時に希望していました。
ですが、このご家族に割り当てられた部屋はキングサイズベッドルーム+ハイフロア。
このご家族は、旅行会社のパッケージから宿泊予約していて、そのパッケージ内容としてハイフロア100%の保証制度付き。
なのでホテル側はもちろんハイフロアのお部屋を用意していました。
ですが、ベッドタイプに関しては、もともと保証制度はありません。
その時は、ピークシーズンで客室が毎日ほぼ満室状態。
特に、同じフロアに2部屋の予約だったこのご家族に希望通りの部屋を提供するのは難しくて、その時に与えられたのは2つの選択肢のみ、
”ローフロア+ツインベッドのお部屋、もしくはハイフロア+キングサイズベッドのお部屋”
それでもハイフロア+ツインベッドルームしか受け付けられないと激怒
父&息子のお部屋はキングサイズベッドで良くても、もう一部屋の母&息子のお部屋が問題。
お母さんと一緒に同じベッドで寝るのはちょっと…
だよね〜。ツインベッドじゃないと、眠れないんですが…
それに2ヶ月前に予約したから普通私達の部屋を前もって確保しておくべきでしょ!
部屋の確保に関しては、共感できます。
確かに、前もって予約してるのに何で確保してあげられないんだろう、と私も何度か思う事もありました。
そこが海外と日本の違いかもしれません。
宿泊予約を管理するのは、フロントではなく違う部署が担当していたので詳しくは分からないです。
話を戻しますと、
2つの選択肢しかない状態で、「ハイフロア+ツインベッドルームのみしか受け付けられない」と何を言っても引かなかったので、マネージャーを呼びました。
(↓そこから私は、マネージャーとお客様の会話の通訳係)
ツインベッドのお部屋を希望されるのであれば、本日はローフロア(低層階)のみご提供可能です。
いや、だからハイフロアの部屋でツインベッドじゃないと困るんだけど。
ツインベッドルームのハイフロアですと早くても明日にしか空きが出ません。空きが出次第、すぐにお客様のルームチェンジに対応することをお約束します。
そんなこと言われても、こっちはハイフロアのツインベッドルームに泊まるために来たんだから、困ります。
結局同じ会話が繰り返されている感じでした。
マネージャーと一緒に謝罪したのですが、それでも、「はい、わかりました」では終わらず、全く引かないご家族。
なのでマネージャーと相談をした結果、「ホテルのレストランバイキングディナーを1回のみご家族全員に提供する」という形で、謝罪を兼ねてお詫びさせていただきました。
すると、
わかりました。じゃあ、今日は低層階のツインベッドに泊まるから、明日必ずハイフロアに移して下さいね。
まさかの必要以上のサービスを要求
一件落着という流れだったのですが…
そのお客様がまるで流れのままで狙ったかのようにもう一言。
「ディナーサービスの他にも、チェックアウト後、空港行きのシャトルバスかタクシーも無料で出して欲しいんですが」
ええぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~!?!?それは幾ら何でも無茶でしょうよ。。。
ディナーバイキングだけじゃ物足りないのですか…?
(↑すいません、私らホテルスタッフも人間なのでそう思ってしまったのが事実)
マネージャーもこれに関しては、「出来かねません。」と一言。
ホテルのレストラン提供についても、通常はホテル側のミスや不手際があった際にお客様にサービスリカバリーとして提供しているので、普通は希望していたベッドタイプのお部屋に泊まれないことからのクレーマー様にはディナーサービスなんてありません。
なのに、ディナーを家族分サービスするマネージャーすごい、、!と思っていたら、それプラス、もう一つ無料サービスを要求されたのには驚きました(笑)
チェックアウト時にクレームをして部屋代の割引を求める客
チェックアウトの際にお客様に「ホテルでの滞在はどうだったか」通常聞くのですが、ある白人ファミリーが「最悪だったよ」と言ってきたのです。
「えぇっ!?何があったんですか!?!?」ともちろん私も聞きます。
「シャワーのお湯が全然出なくて冷たいままお風呂を浴びたのよ!!子供が風邪引くかもしれないじゃない。最悪な宿泊だったわ。だから部屋の代金を1泊無料にするか何か割引してよ!
私は申し訳ない気持ちもありましたが、お部屋代を値切ることに対しては「ん?」と感じました。
もちろんお金に関しては、私が勝手に決められないので上司を呼び、対応してもらいました。
最終的に部屋代金を引くことなく、謝罪のみで終わりました。
というか、部屋に異常があれば、
フロントかハウスキーピング、誰かスタッフに随時伝えていただければ部屋の変更が可能だったり、もしくはエンジニアなり担当部署のスタッフを部屋に送ってチェックしてもらうこともできたのですが…
チェックアウト時に言われても…別にいいのですが、宿泊代の割引を要求するのは、ちょっと…
海外ホテルが悩む、チェックアウト後にクレームを入れる日本人客!
どのホテルでも共通して悩まされることなんですが、日本人客は何か苦情があると、その場では何も言わず笑顔で帰国されます。
ですが、帰国後にトリップアドバイザーなどの口コミか、旅行エージェントや会社の秘書を通してクレームを入れることが多いです。
ホテル側からすれば、「滞在中に言ってくれれば、どうにか対応することができたのに。」と思うのです。
何か問題があれば、その都度ホテルも素早い謝罪や、サービスリカバリーなどを通してその問題に対応することができます。
ですが、帰国後に苦情を言われても、ホテル側はそれに対応できない、お客様も気分の悪いまま帰国。お互いスッキリせず、いい気持ちにはなりません。
まとめ
いかがでしたか?
今回紹介したクレーム集は、ほんの一部にすぎません。
これ以上にひどい悪質クレーマーも存在するのが現実です。
ちゃんとしたクレームもあれば、非合理的なものも多く、ホテルには本当に色々な方が来ると実感(笑)
ただ、悪質のクレーマーは正直注意していただきたいです。
インターナショナルホテルチェーンというのは、世界中のホテルとも繋がっているので、小さなことでも何かお客様に問題があればすぐにシステムを通して情報がシェアされます。
要注意人物と認識されると、世界各国のホテルチェーンから目をつけられるのです(笑)
なので、何か得をする為に無茶に身勝手な言いがかりをつけると後々自分が後悔すると思うのでご注意を!
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